仏教には,財施(ざいせ),法施(ほうせ),無畏施(むいせ、人から苦悩や恐怖を取り除き、安心を与えて恐れのない 状態にすること。)の3つの布施行があるといわれています。では,施すべき財,説くべき教え,恐れを取り除く力がなければ布施の行ができないかというと,そうではないと言われています。
地位や財産がなくても、誰もがいつでも容易にできる布施の行,それが「無財の七施」です。
1 眼 施 がんせ
慈しみに満ちた優しいまなざしで、すべてに接することをいいます。温かい心は、自らの目を通して相手に伝わります。
2 和顔施 わがんせ
いつもなごやかで穏やかな顔つきで人や物に接する行為です。 喜びを素直に顔の表情にあらわしましょう。
3 愛語施 あいごせ
言辞施(ごんじせ)の別称もあります。
優しい言葉、思いやりのある態度で言葉を交わす行ないをいいます。
4 身 施 しんせ 自分の身体で奉仕をすること。
身体で示すことをさし、自ら進んで人ために尽くす気持ちが大切です。
5 心 施 しんせ
心をくばり、心底から共に喜び、共に悲しむこと。
他の人の痛みや苦しみを自らのものとして感じ取れる心持ち。
6 牀座施 しょうざせ
たとえば自分が疲れていても電車の中で喜んで席を譲る行為。また競争相手にさえも自分の地位を譲って悔いなく過ごせることをいいます。
7 房舎施 ぼうしゃせ
風や雨露をしのぐ所を与えること。自分が半身濡れながらも、相手に雨がかからないように傘を差し掛ける思いやりの行為です。